■健康・美容豆知識Vol.014『食べる順番ダイエットの検証』
もてもてナインティナインの番組内で、ビビる大木さんと、鳩山太郎さんの二人が2ヶ月間のダイエットで多大な効果を実証し話題になっているのが「食べる順番ダイエット」です。
食事制限や、フィジカルトレーニングを要せず、ただただ食事の際に食べる順番だけを考慮するお手軽なこの手法を提唱されているのは、フィットネストレーナーの石川英明さんです。

石川英明さんのプロフィールについては、リンクでご確認頂くとしてさっそく本題の『食べる順番ダイエット』について触れてまいります。

■食べる順番ダイエットとは?
食べる順番ダイエットとは文字通り、ある一定の法則に基づいた食品を一品ずつ完食させることで、熱量(カロリー)や炭水化物(≒糖質)の摂取量については調整をしない、何とも有難いダイエット方法なのです。
では、この食べる順番ダイエットが、摂取量が変わらないにも拘らずダイエット効果をもたらすのか?多くの方が不思議に思われるはずですが、まずは論理的に検証してみることにいたします。

まず、満腹中枢についてになりますが、満腹中枢と空腹中枢は複雑な要因により互いが活性されていますが、大別すると「血糖値」「アミノ酸」「脳の温度」等によって左右されます。この中で食べる順番ダイエットに大きく関係するのは「血糖値」になります。食事で摂取された炭水化物(≒糖質)は体内で消化されブドウ糖へと変化し血液中に吸収されます。これが所謂「血糖値が上がった」状態です。そして血糖値が上がるのを抑制するために分泌されるのがインスリンで、その役割は「血糖値の抑制」と「脂肪の合成・貯蔵の促進」と相反する作用を持ち合わせてます。インスリンが急激に分泌されると、満腹中枢を刺激する反面で脂肪貯蓄の指令も出す、つまり肥満促進の指令を自ら出すことに繋がるのです。

急な血糖値上昇・頻繁な血糖値情報→インスリンの分泌→体脂肪増加

では、必ず分泌されるインスリンの作用をどのように調整すれば、肥満促進にならず満腹中枢を刺激することが出来るのか?
これが、食べる順番ダイエットのまさに焦点となります。

■食べる順番ダイエットの方法
副菜→汁食→主菜→主食(前菜→スープ→メイン→飯物)
文章で書くと少しややこしくなりますが、和洋を問わずコース料理を創造してみて下さい。おおよその場合、この順番に沿った状態で料理が出されているはずですね。ここで大事なのは、一品ずつ必ず完食することです。複数の一品を併食しては食べることは、食べる順番ダイエットでは認められません。

◆副菜
これは「野菜」になります。まさに低カロリー・低糖質かつ繊維質で胃に優しく、糖や脂質の吸収を低減させる効果があります。

◆汁食
これは和食では「みそ汁」で、洋食では「スープ」になります。水分で満腹中枢を刺激する効果があります。

◆主菜
これは「メインディッシュ」になります。肉・魚等々で筋肉や内臓など身体を構成する基本成分の一つであるタンパク質を摂取します。

◆主食
これは「ごはん」になります。白米もしかりですがパンや麺もここに該当し、炭水化物を摂取します。

要するに、この順番を守って食事をしていると、おそらく多くの方が最後の主食の時には満腹中枢が刺激されていて、「もうお腹いっぱい」と思っているはずです。つまり、食べる順番を変えるだけで、摂取量が減少するのもダイエット効果を高める要因のひとつになっていますので、是非一度ご自身で体感してみて下さい。

■補足事項と留意事項
上記で述べた超簡単な「食べる順番ダイエット」の効果を更に高める為に、もう少し踏み込んでみたい補足事項があります。
◇咀嚼(そしゃく)回数:俗にいうよく噛んで食べるです。咀嚼の効能は「顎を発達」「消化を助長」「唾液を分泌」「大脳を刺激」「ストレスを緩和」などが挙げられますので、一口30回の咀嚼を目安にして下さい。
◇過剰摂取日:あまりに摂取量を減少させることに意識を集中してしまうと、ある程度の期間は体重が減少しますが、いずれ減少いたします。この現象は体脂肪を燃焼させる為に必要となるエネルギー源の糖質やタンパク質に含まれるアミノ酸を十二分に摂取しなければなりません。摂取量を減少させる場合でも、目安1週間に1度は過剰摂取する日を設定して下さい。
◇適度な運動:食べる順番ダイエットは約束事を守れば多くの方に成果をもたらすことが可能です。ただその効果をさらに高める為には、やはり代謝促進は欠かせない要素となります。1日30分程度のウォーキングなど負担にならない程度の運動を継続することをおすすめいたします。

そして、最後になりますが留意事項です。
最後まで読んで頂きまして有難うございます。ただここも一部の人には大きな障壁となります。食べる順番ダイエットにおいて、既に暴食が大敵なのは十二分にご理解頂いていると存じますが、さらにお酒の暴飲(少量以外とお考え下さい)も同等もしくはそれ以上に大敵となります。
アルコールはある程度までは肝臓で分解されますが、同時に脂肪酸が分泌され中性脂肪の合成を助長する作用があり結果として体脂肪を増やす環境を生みます。

せっかく食べる順番ダイエットで、摂取量を減らし、太りにくい体質、に改善したところで、片や体脂肪を増やす環境を育んでしまえば効果が激減するばかりか、逆効果を生みかねません。アルコールは禁止とまでは言えませんが休肝日を設け肝臓をしっかりと休めることもダイエットの重大な要素となることをご留意ください。